選択への理由

アフターパーツ (ウィリー製等)スイングアームを塗装をするにあたり

どの様な塗装がベストになるのかをユーザー目線で説明いたします。

先に申し上げておきますが施工対象はアフターパーツスイングアーム限定での

解釈と捉えて頂き他塗料の特徴を否定する意図は御座いません

また、フレームやエンジン、他の部品への施工はまた別の解釈と捉えてください。

 

 

各塗装被膜の特徴

スイングアームは飛び石や路面からの様々な異物へ晒されるパーツです

では飛び石等に対し最も防御性の高い塗装と言うと4輪車の足回り(下回り)に塗装する

アンダーコートが飛び石等に対し最も高い優位性があります

※チッピングガードとも言われたりもします

「膜厚が厚く柔らかい」為、飛んで来る飛び石等の衝撃を塗膜が吸収し

多少飛び石で削られても大丈夫な位、厚く塗られています。(輸入車は特に)

とは言えスペシャルスイングアームへ塗装される方はいないかと思います

そこでアンダーコートの特性に近い「膜厚が厚く柔らかい塗料」であるパウダーコートが

特性としては最適となります。

 

では逆に最も飛び石に脆い塗装はと言うと「膜厚が薄く、硬い塗装」となり表面硬度

(硬さ)とは塗装表面に小傷が入り難いと言うメリットが有りますが

反して飛び石等のアルミ材すら削っていく物理攻撃性には非常に脆いのです。

硬く薄い塗膜であるガンコートやセラコートはブラスト処理で容易に剝れますが

パウダーコートはブラスト処理では塗膜にブラストメディア(飛び石)が弾かれ剝れず、

無理にブラストを照射すると一部露出した素地(アルミ材)の方が先に削られてしまう程

柔らかい塗膜は飛び石等に耐性があるのです。

但し、パウダー塗膜の柔らかい塗装表面には小傷が入りやすく、膜厚が厚くなる事で

素材の質感もスポイルされてしまいます。

 

RXコートは塗膜特性をセラとパウダーの中間的位置としてスイングアームでの

理想的な最適値へ設定しています。

塗膜性能は表面硬度、全体強度、耐溶剤性、塗装膜厚を考慮した塗膜特性を有しています。

RXコートはブラストによる剥離が可能な範囲の塗装です

このブラスト処理による物理剥離が可能だと言う事もメリットの一つとなります。

 

 

 

再塗装の時期が来ると

パウダーコートで既に塗装されてるスイングアームを数年使用の後、

外観のリフレッシュ兼ね、再塗装行う場合には薬液での剥離処理が必要となりますが

(ウレタン塗装では塗膜剥離を行わず旧塗膜上にリコートする手法が多く見受けられる)

一般的なイメージでの剥離剤を筆塗りで行う手法はお奨め出来ません

パウダー被膜は僅かも塗膜残りがあるとブラスト処理の際

塗膜残りがマスキング効果となって周りのアルミ材の方が先に削られてしまいます

結果、アルミ材にはクレーターの様な凹凸模様で周りが削られ痕もそのまま残ります。

通常剥離処理は薬液槽へワーク全体を浸漬し専用の装置にて被膜全体を剥離処理します

僅かな塗膜すら残さず剥離を行わなければなりません

(次工程のブラスト時、マスキング効果によるトラブルを回避する為)

剥離後、僅かでも薬液がスイングアーム内部に残ると後々の内部腐食を発生促進させる

原因となり大変危険です。

それ故、剥離後は早急に内部の洗浄を確実に行う必要があります。

入念な洗浄行程を取っているか否かは各施工事業所にも由りますので一概に言えませんが

スイングアーム一本の洗浄水は流水400L以上は必要となります。

同時に洗浄用の水抜き穴を母材へ数カ所(必要箇所による)開ける必要が伴います

上記を怠るとスイングアーム内部の完全洗浄は構造上不可能です。

※ スイングアーム外側からは溶接にて密閉され気密性は保持されていますが

複合材内部は僅かに隙間があり内部空間は繋がっています。

上記理由によりスイングアームの個体に応じた水抜き穴の加工が必要になります。

※スイングアーム内部にスポンジ材が充填されている純正品は薬液処理不可

 

アルミ複合材へのパウダーコートは剥離時のリスクとコストを認識し

施工方法の選定と対象品への構造的な知識が必要になります。

 

 

 

一部を溶接加工する場合

RXコートは溶接加工部付近の僅かな範囲のみの剥離で問題ありません

パウダーコートは溶接熱で塗膜が燃えてしまいますがRXコートは溶接の熱による

耐性も持ち合わせています

(但し耐熱塗料ではありません。日本の塗料規格による耐熱塗装とは異なります)

溶接後、加工部分のみウレタン塗料等にて簡易補修も容易に行えます。

※ 溶接や加工作業には信頼できる専門の業者を選定ください

溶接機が有れば出来るモノではありません、塗装もまた同じ事が云えます

パウダーで塗ったのに「割れた、剥がれた、層間剝離が起きた」 とよく耳にします

たとえ溶接機が同じであっても誰もが溶接を出来る訳でもありません

正しい知識と工程、施工には技術と設備を必要とします。

 

弊社では施工後も安心してお使い頂ける様、全ての工程に気を配り

スイングアームもユーザーが長くお使いになられる事を考慮し施工をしております。

仕様変更時や再塗装など必要に応じ都度対応させて頂きます。

 

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